金沢 アートの力で、歴史を今へ繋ぐ街。
柴山:今回は、地域のブランディングにおける芸術の役割について
「金沢」を事例に考えてみたいと思います。
沢辺:金沢は、すでに美しい洗練された街というイメージがありますが・・・
柴山:そうですね。
美しく、かつ、歴史が今日まで息づいている街だと思います。
400年前からの都市ですが、不断の努力があってこそ、今の生活や街の中に、アートや芸術文化が息づいているのではないでしょうか。
沢辺:はい。
柴山: 行政としても、地域のブランディングは、
芸術文化・伝統芸能・工芸で行うということではっきりしています。
金沢市は、工芸(クラフトと民俗芸術)の分野で、ユネスコのクリエイティブシティにもなっています。
基幹産業として、地域のアートやクラフトを活性化していくということを謳っているわけですが、政策としても金沢市役所には「文化政策課」や「クラフト政策推進課」という課が設けられていまして、これに呼応する形で、様々な企業や団体、個人、市民の方も含めて、アートの取り組みということを不断に行っているわけです。
沢辺:なるほど。
柴山さんも、金沢でオークションをなさっていると伺いましたが、具体的にはどのようなことをなさっているのでしょうか?
柴山:はい。これは今年で第4回目となるのですが、
イベントのタイトルは「工芸とアートの金沢オークション」というものです。
まさに、タイトルそのままのイベントでして、工芸とアートをしっかり分けずに作品を募集し、それをオークションしています。
美しくて、それなりに良い値段であれば買いたいという作品や、それを作っているアーティストをプロモートするイベントです。
沢辺:なるほど。
柴山:オークションは文化財の建物で実施しています。
またこのオークションは、40歳までのアーティスト、クラフトマンであれば、誰でも応募できるというものなんです。
沢辺:アーティストは、全国から応募することが出来るそうですね?
柴山:はい、そうなんです。
どなたでも、日本にいれば応募することができます。
沢辺:金沢の地から、自分の作品が発信していけるというのは、
それだけでも非常に魅力的に思えますね。
柴山:そう思います。
金沢市は、街自体は40万人くらいの人口ですが、日本の工芸とアートの中心として、また茶道や能、伝統芸能も盛んですし、そうしたことも街のコアになっています。
また、美術館についても「金沢21世紀美術館」という素晴らしい現代アートの美術館もありますので、そうしたことで経済効果を出していくということの一つの例だと思います。
沢辺:アーティストも、金沢であれば、
美術や工芸で自活していける未来を描けるということなんでしょうか?
柴山:はい。そうだと思います。
沢辺:はい。ありがとうございました。
次回はどのようなお話になりますか?
柴山:次回はアーティストによる地域活性化の事例についてお話したいと思います。
沢辺:Power of Art、次回もお楽しみに!