· 

アートとパトロン④

世界的IT企業のオフィスは美術館!? 

 

 

柴山:みなさん、こんにちは。

本日も、先週に引き続き「パトロン」、すなわちアートにお金を出す人についてお話をしたいと思います。

 

 

沢辺: はい。

先週、柴山さんからは、階級社会がなくなった近代以降は、企業や実業家がアートのパトロンになったというお話を伺いました。

こうしたことは、つい昨今においても変わりないのでしょうか?

 

 

柴山:はい。

今の時代ですと、パトロンはIT業界が担っているのではないかと想います。

芸術のパトロンとしての、IT企業群が存在しています。こうした企業の方々が、アートの世界も大きく変革しているのではないかと想います。

 

 

沢辺:なるほど。

具体的には、どういった企業がアートのパトロンとして名を馳せているのでしょうか?

 

 

柴山: はい。

みなさんもご存知のGoogleや、Facebookといった、世界の誰もが知っているような会社が実は熱心に現代アーティストを支援しています。

 

 

沢辺:そうなんですか。

 

 

柴山:はい。

例えば、Facebook社は、世界のオフィスで展開しているようですが、自社のオフィスにアーティストを誘致して、彼らに壁を装飾してもらったりしています。

ですので、Facebookのオフィスは、いたるところで様々な現代アートにあふれているんですね。

 

 

沢辺: なるほど。

 

 

柴山:はい。

また、アーティストと社員の方々が、これらのプロジェクトを機にコミュニケーションを取るようになりますので、非常にお互いクリエイティビティが増しているということがあります。

 

 

沢辺:なるほど。

アーティストの支援だけではなくて、実際にビジネスのクリエイティビティでもアーティストの才能を活用しているところがあるということですね。

 

 

柴山:はい。そうだと想います。

美術系大学、あるいは現代アートの美術館が、そのままオフィスになっているといっても、過言ではない状況が生まれてきていると想います。

やはり、アート作品が身近にあるとですね、オフィス自体が綺麗になって、社員も働く過程でウキウキとしてくると想います。

 

 

沢辺:確かにそうですね。

 

 

柴山:ええ。

いずれにしても、アーティスト達にお金を出して何か面白いプロジェクトをしてもらう、そしてそのことが、自分たちの創造性を高めることや企業経営のノウハウに跳ね返ってくるというようなことが、過去数百年、数千年にわたる時代時代の権力者、あるいは急成長している起業家に受け継がれてきたのではないでしょうか。

力ある人々は、芸術やアーティストを取り入れて、自分の家や企業のなさらなる成長や活躍につなげる、IT業界がアートパトロンとなったのも、現代におけるその一例ではないかと想います。

 

 

沢辺:ありがとうございます。

ちなみに日本の企業での具体例などはあるのでしょうか?

 

 

柴山:有名な事例ですと、マネックス証券などの事例は有名かと想います。

アーティストに自社のオフィスの壁面をコンペ方式で装飾してもらっている事例などがあるんですね。ですので、少しずつ日本でもそうした事例が生まれつつあります。

 

 

沢辺:なるほど。ありがとうございました。

さて、来週はどのようなお話になりますか?

 

 

柴山:はい。

来週は、群馬におけるパトロンについてお話をしたいと想います。 

 

 

沢辺:Power of  Art、来週もお楽しみに!